こちらの記事では、リスティング広告の基礎的な部分について解説していきます。
リスティング広告に興味があるけど、いまいち仕組みがわからない
リスティング広告の基礎からしっかり理解したい
リスティング広告の運用方法が知りたい
このような疑問やお悩みについて、この記事の中で解消していければと思います。
こんにちは。WEBマーケターのかまりょです。私は、WEBマーケターとして、大手美容医療業界にて現役で月数千万円のリスティング広告の運用に携わっています。
これからリスティング広告を始めたい、勉強していきたいという方に向けて、実際に運用に携わっている現役WEBマーケターの視点で、仕組みや運用方法についてご紹介してまいります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
Webマーケティング全般について詳しく知りたい方は、下記の記事の中で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索エンジンでユーザーが検索した際に、検索キーワード(検索語句)に合わせて検索結果画面の上部または下部に出てくる広告になります。
例えば、「ヒゲ脱毛」とGoogleで検索してみると、このような検索結果になります。
こちらの「スポンサー」と書かれている部分は、全てリスティング広告の表示結果です。
ユーザーが検索した結果に基づいて広告が表示されるため、「検索連動型広告」とも呼ばれています。
検索をするユーザーは、検索しているキーワードに対して興味があったり、何かしらの悩みを抱いている人が多いので、見込みの高い顧客に対して効果的にアプローチすることができます。
リスティング広告の媒体はGoogle、Yahoo!、Bingの3つ
リスティング広告の媒体は、Google、Yahoo!、Bingの3つです。
Bingはあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、Microsoft EdgeのWebブラウザに初期で設定されているので、意外と使っている人も多いのです。
「StatCounter」というアイルランド発のアクセス解析ツールのサイトによると、日本国内における検索エンジンのシェアは、Google75.97%、Yahoo!16.2%、Bing7.19%となっています。
GoogleとYahoo!だけでも大部分はカバーできますが、よりリーチを伸ばすためにBingも活用するというケースも増えているのです。
リスティング広告の掲載要素
リスティング広告の掲載要素は、以下の4つです。
・広告見出し/タイトル
・説明文/ディスクリプション
・リンク先URL
・広告表示オプション
実際の掲載結果画面で見てみると、下記のようになります。
※Googleの検索結果画面より
この4つのうち、必須になるのが1〜3までです。
広告見出し(タイトル)と説明文(ディスクリプション)は基本的にセットなので、この二つを合わせて「タイトル&ディスクリプション(TD)」と呼びます。
タイトル&ディスクリプションとリンク先のURLを設定することで、広告を配信することができるようになります。
ただし、それぞれの媒体ごとに広告審査がありますので、その審査に通過しない限りは広告が配信されません。
特に、Yahoo!は審査が厳しいことで有名なので、事前に審査基準を確認しておくと良いでしょう。
特に、私が現在担当している美容医療のような医療系は審査が厳しく、よく審査落ちして苦戦しています。
広告見出し(タイトル)と説明文(ディスクリプション)にはそれぞれ文字数制限があります。
また、使用できる文字や記号にも制限があるので、注意しましょう。
GoogleとYahoo!でそれぞれ使用できる文字や文字数などに違いがあるので、それぞれのヘルプページをチェックしておくと良いでしょう。
Googleのヘルプページ:https://support.google.com/google-ads/answer/1704389?hl=ja
Yahoo!広告入稿規定:https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000044241?language=ja
広告表示オプションに関しては、設定しなくても広告配信できますが、必ず設定いただくことをオススメします。
広告表示オプションを設定することで、訴求できる内容が増えたり、検索結果画面に対する掲載の占有面積を広げることができるからです。
スピード重視でとにかく配信開始したいという場合は後回しにしても大丈夫ですが、広告の成果にも影響してくるので、ぜひ設定しておきましょう。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告の仕組みとしては、広告を出したいキーワードを指定(入稿)して、そのキーワードをユーザーが検索した際に、あらかじめ設定した広告が出てくる形になります。
ただし、指定したキーワードに必ずしも広告が表示されるわけではありません。
なぜなら、競合も同様にキーワードに対して広告を出稿しているからです。
リスティング広告を検索結果画面の上部に表示しようとした際、表示できる枠は最大で4枠しかない為、この枠の中に掲載しなければなりません。
リスティング広告は、この枠に表示させるためのオークションが毎回行われるのです。
リスティング広告で自社の広告を検索結果上部に表示させる上で重要になってくるのが、広告ランクです。
広告ランクは、入札単価や広告の品質など、様々な要素のもとに決定されます。
リスティング広告で上位表示をさせる為には、定期的に運用改善していくことが重要です。
リスティング広告と自然検索(SEO)との違い
リスティング広告と同じ検索結果の枠の中には、自然検索と呼ばれる広告以外の枠もあります。
リスティング広告との違いとしては、お金を払わずに情報を掲載できる点です。
ただし、自然検索の枠の中でWebサイトを上位表示させる為には、質の高いコンテンツを継続的に発信し続ける必要があります。
そして、SEOには即効性がありません。
この点が、リスティング広告との1番大きな違いになります。
リスティング広告は、正しく設定できればすぐに上位表示できますが、自然検索で上位表示させる為には継続してコンテンツを出し続けなければならず、最低でも半年ほどは期間が必要になってきます。
この特徴をよく理解した上で、施策検討するようにしましょう。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
リスティング広告と同様に、GoogleやYahoo!から配信できる広告に「ディスプレイ広告」というものがあります。
リスティング広告とディスプレイ広告の違いは様々ありますが、一番大きな違いとしてはテキストで訴求するか、画像で訴求するかという違いがあります。
そして、リスティング広告は検索したユーザーに広告を配信するのに対し、ディスプレイ広告はWebサイトなどを閲覧しているユーザーに広告配信をすることになります。
その為、ディスプレイ広告の方がニーズが明確になっていないユーザーにも広告が配信されやすい傾向にあります。
リスティング広告は、ニーズが明確(検索している)ので、ニーズが顕在化しているユーザーに配信しやすいのです。
その為、リスティング広告は刈り取り型の広告と言われたりもします。
まず最初に始めるのであれば、ニーズが明確なユーザーに広告配信ができるリスティング広告がおすすめです。
リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットには以下のようなものがあります。
・ニーズが高い(深い)ユーザーに広告配信できる
・低額予算からスタートできる
・配信開始や停止、変更がすぐにできる
・数値で成果が確認できる
・改善のアクションが取りやすい
詳しく見ていきましょう。
ニーズが高い(深い)ユーザーに広告配信できる
一つ目のメリットは、ニーズが高い(深い)ユーザーに広告配信できるという点です。
予め指定(入稿)しておいたキーワードをユーザーが検索した際に広告表示できるので、ニーズが高いユーザーに絞って広告配信できるのです。
検索して答えを探しているユーザーに広告配信できるのは、リスティング広告ならではの強みです。
低額予算からスタートできる
二つ目のメリットは、低額予算からスタートできるという事です。
リスティング広告を配信する時は、一日の予算を設定して広告配信をします。(設定予算の2倍ほど配信が出る事もあるので注意が必要)
一日の予算を低く設定しておけば、少額からでも広告配信が可能です。
広告予算があまりかけられなかったり、お試しでリスティング広告をやってみたいという企業でも取り組みやすくなっています。
配信開始や停止、変更がすぐにできる
三つ目のメリットは、配信開始や停止、変更がすぐにできるという点です。
配信をスタートさせるには媒体側の審査に通過する必要がありますが、一度審査に通ればすぐに配信のオンオフを切り替える事ができます。
変更に関しても管理画面から修正する事で、自由にいじることができます。
自由度が高い点も、リスティング広告のメリットと言えるでしょう。
数値で成果が確認できる
四つ目のメリットは、数値で成果が確認できる点です。
その広告が成果が良かったのか悪かったのかを、数値の実績を元に判断することができます。
この数値をもとに成果を改善していくことができるので、これもリスティング広告のメリットと言えます。
改善のアクションが取りやすい
五つ目のメリットは、改善のアクションが取りやすいという事です。
成果を数値として確認することができるので、どこが悪いのかを把握することができます。
例えば、クリック率(CTR)が悪い場合は広告文を変えてみる、CTRは良いけどコンバージョン数が少ない時はLPを修正してみるなど、数値を見て仮説を立てながら改善することが可能です。
ただし、広告運用をした事がない場合は、どこが悪いのか仮説を立てるのも難しいケースがあるので、外部パートナーなども上手く活用しながら改善していけると良いでしょう。
このようにさまざまなメリットがあるリスティング広告ですが、もちろんメリットだけではありません。
ここからは、リスティング広告のデメリットについて見ていきましょう。
リスティング広告のデメリット
リスティング広告のデメリットは、下記の5つになります。
・継続的にコストをかけ続けなければならない
・無駄打ちキーワードが発生する可能性がある
・競合性が高いキーワードはクリック単価が高騰する
・広告を嫌うユーザーも一定数いる
・運用ノウハウがないと改善しにくい
デメリット1.継続的にコストをかけ続けなければならない
デメリットの一つ目は、継続的にコストをかけ続けなければならない点です。
自然検索で上位表示を狙うSEOであれば、一度上位表示できればお金をかけずに継続的な流入を見込む事ができます。
しかし、リスティング広告の場合は最適化してページの上部に表示できていたとしても、広告費を払うのをやめると掲載がストップしてしまいます。
継続的にコストが発生するということは、リスティング広告をする上で避けて通れない部分です。
デメリット2.無駄打ちキーワードが発生する可能性がある
デメリットの二つ目は、無駄打ちキーワードが発生する可能性があるという点です。
ニーズがあると思ってキーワードを登録したものの、全く成果に繋がらないキーワードというのも存在します。
これは、実際に広告出稿してみないとわからないことですね。
無駄撃ちキーワードが発生してしまうと、コンバージョンは出ないのに広告費だけが発生するという事態になってしまいます。
その為、定期的にキーワードを確認しながらチューニングしていく事が必要です。
デメリット3.競合性が高いキーワードはクリック単価が高騰する
デメリットの3つ目は、競合性が高いキーワードはクリック単価が高騰するということです。
例えば、人材系だと「転職」というキーワードだったり、美容医療であれば「二重整形」などの検索ボリュームが多いキーワードなどです。
こうした流入数が見込めるキーワードは、どこの企業も広告を出したいですよね。
その為、オークションの入札価格が高くなりやすいのです。
デメリット4.広告を嫌うユーザーも一定数いる
デメリットの四つ目は、広告を嫌うユーザーも一定数いるということです。
あえて広告は飛ばして読む方も一定数いらっしゃいます。
そうした人を惹きつけるのは難しいと言えるでしょう。
もちろん、タイトルなどの訴求を目を惹くものにしてクリックしてもらえるようにする努力をする事はできますが、クリック率が100%になる事はないという事を押さえておきましょう。
デメリット5.運用ノウハウがないと改善しにくい
デメリットの五つ目は、運用のノウハウがないと改善しにくいという点です。
数値を見てどこが悪いのか確認する事はできますが、それを元にどう改善するかまではノウハウがないと思いつきにくいでしょう。
自力で運用するという場合は、繰り返し仮説検証のテストを行なっていき、成果改善していくことが大切です。
以上のようなデメリットがある事も事前に認識しておきましょう。
リスティング広告はニーズが高いユーザーに広告配信できるので、万能のように感じるかもしれませんが、全ての業界・業者に向いているとは限りません。
ここからは、リスティング広告に向いている企業・向いていない企業の特徴を見ていきましょう。
リスティング広告が向いている企業
まずは、リスティング広告が向いている企業の特徴を見ていきます。
リスティング広告が向いている企業の特徴は、下記の通りです。
・単価の高い商品やサービスを扱っている
・継続購入が期待できる(LTVが高い)
・緊急性が高い商品やサービス
それぞれ見ていきましょう。
単価の高い商品やサービスを扱っている
一つ目は、単価の高い商品やサービスを扱っている企業です。
単価の高い商品やサービスは、ユーザーが購入する際にじっくりと検討する傾向にある為、検索されやすいでしょう。
例えば、家や車を購入する時などですね。
スーモ(SUUMO)などのアプリで探すひともいますが、GoogleやYahoo!のような検索エンジンで探す人も多いです。
そのため、キーワード次第で物件購入を検討している確度の高い見込み顧客に広告配信して、大きな売上を上げるということも可能です。
継続購入が期待できる(LTVが高い)
二つ目は、継続購入が期待できる(LTVが高い)という事です。
どういうことかというと、例えば化粧水をイメージしてみましょう。
「化粧水は使わない」という方もいるかと思いますが、化粧水を使う方は基本「化粧水が無くなったら同じやつ」を購入しますよね?
つまり、ユーザーがリピートして購入する事を前提として、広告費を出すという事です。
1回の購入単価が3,000円だったとしても、平均的に一人のユーザーに10回購入されるとすれば、トータルで30,000円の費用が支払われることになります。
リピートして購入されるなどして、顧客が生涯的にもたらす価値のことを、LTV(Life Time Value)と言います。
定期購入型の商品などが当てはまりますが、このLTVを見誤って赤字にならないように注意しましょう。
緊急性が高い(悩みが深刻な)商品やサービス
三つ目が緊急性が高い商品やサービスです。
例えば、家の水道が壊れてしまった時などを思い浮かべてみましょう。
「すぐに直したい」と思って、Googleなどで検索するのではないでしょうか。
もしくは、悩みが深い商品やサービスなどです。
脱毛やAGAなどのコンプレックスが大きいものは、特に相性が良いでしょう。
周りに相談しにくいコンプレックスとかって、特にWebで検索しますよね。
こうした特徴を持つ商品やサービスはリスティング広告と相性が良いと言えるでしょう。
リスティング広告が向いていない企業
リスティング広告に向いている企業があれば、向いていない企業もあります。
リスティング広告に向いていない企業の特徴は、以下の通りです。
・単価の低い商品やサービス
・リスティング広告を出す必要がない商品やサービス
単価の低い商品やサービス
単価の低いサービスの場合、リスティング広告を出稿しても赤字になる可能性が高いです。
例えば、飲料水や日用雑貨など、普段の生活の中でも何気なく買っているような商品やサービスなどです。
そもそも、コーラを買うのにわざわざ検索しないでしょうし、買ってもらっても150円前後の商品では、クリック単価の方が高くなってしまいます。
クリック単価は、競合性が高いものだと1クリックで1,000円を超えることもあるので、商品単価が安いと赤字になってしまうのです。
「Web限定のセット販売」というような売り方もできるかもしれませんが、通常の商品をそのままリスティング広告として出稿する場合はまず利益が出ないので、とても向いているとは言えません。
リスティング広告を出す必要がない商品やサービス
そもそも、リスティング広告を出す必要がない商品やサービスというものも存在します。
例えば、鉄道のような社会インフラの場合、わざわざ検索しなくても普通に電車に乗りますよね?
乗換案内で行きたい場所までの道のりを検索したりはしますが、正直リスティング広告を出しても出さなくても電車を使う人は使います。
タクシーなどの代替えサービスに切り替えられない為の仕組みや戦略などは必要かもしれませんが、それのベストな選択はリスティング広告ではありません。
このように、商品やサービスによってはリスティング広告が向いていないという企業もあるので、自社の戦略としてリスティング広告がベストな選択なのかどうかはしっかりと考えた上で取り組みましょう。
リスティング広告の費用について
リスティング広告の費用は「クリック課金制」となっており、広告が一回クリックされるごとに費用が発生します。
つまり、検索結果画面に広告が表示されるだけでは費用は発生しないということです。
クリック課金制のメリットとしては、広告が表示されるだけでは費用が発生しないので、広告に興味がなくクリックしないユーザーには費用を支払わなくて良いという点です。
ただ、興味がないユーザーでも間違えてクリックしてしまう事もあるので、完全に無駄を省けるわけではありません。
リスティング広告の費用相場
リスティング広告費用の相場はどれくらいなのでしょうか?
業界や企業規模にもよって、使っている金額に大きな開きがある為、一概には言えないですが、20〜30万くらいが相場と言われています。
私が広告代理店にいた時は、100万〜1000万くらいの月間予算で運用しているクライアントさんが多かったです。
ちなみに現在の美容医療業界では、数千万円の予算規模で運用しています。
リスティング広告はある程度予算がないとできないと思われるかもしれませんが、最初リスティング広告を始める時は数万円程度からでも始める事ができます。
クリックされる数は減ってしまいますが、質の高いユーザーを連れて来れればコンバージョンしてもらえる可能性はあるでしょう。
リスティング広告予算の決め方
リスティング広告の予算には、どのような決め方があるのか見ていきましょう。
最もオーソドックスな決め方として、目標としているコンバージョン(CV)数から決めるというやり方があります。
例えば、月30件のCV数を目標として、CV一件あたりの獲得単価を5,000円で獲得しようとすると、以下の式になります。
5,000×30=150,000円
つまり、この場合は月額の広告予算150,000円ということになります。
基本的には、この目標ベースで予算を決めるやり方が一般的です。
リスティング広告の費用対効果の考え方
リスティング広告の費用対効果はどのように考えればいいでしょうか。
具体的には、以下の二つの指標を見ていくと良いでしょう。
CPA
ROAS
それぞれご紹介してしていきます。
CPA
CPAとは、Cost Per AcquisitionまたはCost Per Actionの略です。
日本語で言うと、「顧客獲得単価」の意味になります。
自社で定めたコンバージョン(CV)1件を獲得する際に、いくらの広告費用がかかっているかを見るための数値になります。
例を見てみましょう。
リスティング広告費を15万円かけて、10件コンバージョンを獲得できたとしましょう。
この場合のCPAは、15万円(広告費)÷10件(CV)で15,000円となります。
30,000円の商品を売っていたとすると、原価や人件費などを考えない場合15,000円の利益ということになりますね。
これがコンバージョン5件しか取れなかったとすると、15万÷5=30,000円(CPA)となり、利益が出ていない状態となっています。
自社商品の利益額などを見ながら、目標とするCPAを設定してみましょう。
ROAS
ROASは、Return On Advertising Spendの略で、日本語で言うと「広告の費用対効果」を表す言葉になります。
広告の費用対効果とは、支払った広告費に対して、いくらの売上が上がったのかを表すものになります。
これをパーセンテージで表したのが、ROASになります。
ROASの計算式は、売上÷広告費×100となります。
例えば、100万円の広告費に対して200万円の売上が上がったなら、以下の通りです。
200万÷100万×100=200%
最低でも100%を超えていないと、赤字ということになります。
ですが、必ずしも100%を超えたからといっていいというわけでもありません。
商品の原価率や人件費など、考慮すべきものは各企業によって異なるので注意しましょう。
ただ単純に、広告費に対しての費用対効果ということであれば、ROASを追っていくと良いでしょう。
リスティング広告のやり方(始め方)
ここからは実際にリスティング広告のやり方・始め方をご紹介していきます。
Google広告の場合
まずは、Google広告の申込ページにアクセスします。
今すぐ開始のボタンを押して、Google広告で使用したいGoogleアカウントでログインしましょう。
アカウントを持っていない場合は、「アカウントを作成」から新規アカウントを作成しましょう。
ログインすると、新しいキャンペーンを作成という画面が出てくるので、自社名やサービス名などを入れましょう。
次に、広告がクリックされた際にアクセスしてもらいたいページのURLを入力します。
自社のホームページなどでも可能ですが、できれば専用で作成したLPを設定するようにしましょう。
専用のLPを作ることで、訴求力を高める事ができます。
Webサイトの登録ができたら、広告の目標を聞かれるので、広告する目的に適したものを選びましょう。
最も一般的なものが「ウェブサイトの販売を促進し見込み顧客を獲得する」になるので、どれを選べばいいか分からないという方はこちらを選んでおきましょう。
Googleアナリティクスを設定している場合は、関連付けを推奨されるので、問題なければ連携させておきましょう。
Googleアナリティクスの設定ができていない場合は、無視していただいて大丈夫です。
次に、広告の作成を求められます。
リスティング広告に最低限必要な要素として、「広告見出し」と「説明文」があります。
それぞれ文字数制限があるので、超えないように設定しましょう。
次に、「検索内容に合った広告を表示するためキーワードのテーマ」を入れるように求められるので、訴求したいサービスなどのテーマを入れるようにしましょう。
基本的に、登録したページからGoogleが自動的に抽出してくれるので、それを選んでおけばオッケーです。
ちなみに、私のWebサイトの場合だと下記のような感じです。
次に、配信地域の設定をしていきます。
商圏が縛られている場合は、その地域を指定して広告を出せますし、日本全国に配信したい場合は全国に配信できます。
下記の図は、千葉県の館山市を指定してみました。
地域設定によって、ビジネスと関係が薄い地域からの流入を減らす事ができるので、広告費の無駄も削減しやすくなるはずです。
次に、予算を設定します。
月間でどれくらいの広告費を使うかを入力しましょう。
入力すると1日の平均予算なども見る事ができます。
あくまで1日あたりの平均予算なので、その額を上回る事がある事に注意しておきましょう。
最後に、正しく設定できたかを確認し、お支払い情報を登録したら完了です。
リスティング広告の運用方法
リスティング広告の運用方法について、ご紹介します。
まずは、「リスティング広告のやり方(始め方)」の中でご紹介させていただいた通り、初期設定を済ませておきましょう。
そして、リスティング広告を運用していく為には、以下の概念の理解が必要です。
・アカウント
・キャンペーン
・広告グループ
・キーワード
・広告文
図で示すと、このようになります。
※図挿入
少しややこしく感じるかもしれませんが、一つずつ見ていきましょう。
アカウント
アカウントは、リスティング広告で設定できる項目の中で最上位に位置するものになります。
設定できる項目としては、主に以下のものがあります。
・ユーザー権限
・支払い設定
アカウント自体で設定する項目はそれほど多くなく、一度作成したら変更する機会は少ないでしょう。
新しく入社してきた人の権限を追加したり、支払い情報を変更したりするくらいです。
アカウントは、企業でいうとオフィスのようなものと考えると良いでしょう。
実際には、オフィスの中で働く従業員が仕事をする事になりますよね。
アカウントは、オフィスの外観とイメージしておくとなんとなくイメージを掴めるでしょう。
キャンペーン
キャンペーンは、「アカウント」のすぐ下にある階層で、特定の目的を遂行する為のものになります。
アカウントがオフィス自体だとしたら、キャンペーンは各階のフロアをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
具体的には、キャンペーンでは商品名やサービス名を入れることが多いです。
例えば、美容医療であれば「二重整形」や「鼻整形」などの施術が入ったり、住宅であれば「新築」、「中古」、「賃貸」などのキャンペーンが作成できます。
キャンペーンの分け方に決まりはないので必ずしも上記になるわけではありませんが、商品やサービスが入る事が多くなるので、覚えておきましょう。
キャンペーンで設定できる項目としては、予算や入札単価、配信地域などがあります。
広告グループ
広告グループは、キャンペーンの中に含まれる階層で、この中で広告文やキーワードを設定することになります。
例えば、住宅販売をする場合を考えてみましょう。
前述でご紹介したように、キャンペーンで「新築」を作成した場合は、どのような広告グループができるでしょうか。
これも正解がないので、必ずしも当てはまるわけではありませんが、例えば「戸建て」「マンション」などが挙げられます。
また、「地域」で作成することもできますね。
「新宿区マンション」「中野区マンション」などです。
同じ「新築マンション」を探している人でも、その人の状況などによって求めているニーズは異なります。
そのニーズに合わせて広告グループを作成することで、ニーズにマッチした広告を出せるようになるのです。
逆に言うと、ニーズが違うキーワードに対して同じ広告グループ内に入れて訴求しても反応率が下がってしまうということです。
広告グループ作成の際は、ニーズを意識した上で作成するようにしましょう。
キーワード
広告グループを作成したら、その中に実際に配信するキーワードを登録していきます。
リスティング広告を配信する際は、このキーワード次第で獲得件数や広告配信できるユーザーも変わってくる為、戦略的に登録していくようにしましょう。
また、キーワードを登録する際に注意したい点として、キーワードの「マッチタイプ」があります。
マッチタイプについても、後ほど詳しく解説していきます。
広告文
キーワードを登録したら、今度は広告文を入稿していきます。
広告文とは、検索結果画面に表示されるテキストのことです。
例えば、「クレジットカード」とGoogleで調べた際に出てくる広告文がこちらです。
青文字で大きめに表示してされるのが「タイトル」、黒字で下に小さめに表情されるのが「説明文」と言います。
その他にも、「広告表示オプション」と呼ばれる、補足的な役割を果たすテキストなども配置できます。
必須で必要になるのが、タイトル・説明文・ランディングページ(LP)のURLです。
リスティング広告で成果を上げていく為には細かい部分(広告表示オプション)まで設定しておく必要がありますが、最低限この3つがあればリスティング広告は出せるということを覚えておきましょう。
リスティング広告におけるキーワードの選び方
リスティング広告では、広告を出稿する「キーワード」がとても重要になってきます。
なぜなら、出稿するキーワード次第で獲得できる件数やユーザーの質に違いが出てくるからです。
そこで、リスティング広告を出稿する際のキーワード選定方法を、プロの現役Webマーケターがご紹介させていただきます。
具体的な方法は、下記のやり方です。
・顧客のニーズや悩みを自分で考える
・キーワードを抽出できるツールを活用する
・関連キーワードやYahoo!知恵袋などでユーザーニーズを確認する
一つずつ解説していきます。
顧客のニーズや悩みを自分で考える
一つ目の方法は、自分で顧客の悩みやニーズを考える方法です。
これは、一番イメージしやすいのではないでしょうか?
チャットGPTなどのAIツールに頼るのもいいですが、まずは自分自身の頭で考えてみましょう。
自社の商品やサービスにはどのようなニーズがあり、どのようなキーワードで検索されるのか。
まずは自分自身の頭でしっかりと考えていくことで、そのキーワードが成果に結びつくかどうかに興味を持てるようにもなるでしょう。
キーワードを抽出できるツールを活用する
二つ目の方法は、キーワードを抽出できるツールを活用する方法です。
キーワード選定は、人力だけではどうしても限界がきます。
そこで、ツールを有効活用することでキーワードを拡張していくことができます。
ツールとして有名なものとしては、Googleキーワードプランナーやサジェストツールなどがあります。
Googleのキーワードプランナーは、Google広告の管理画面から使うことができるツールで、入力したキーワードと関連性の高いキーワードを抽出してくれたり、月間でそのキーワードがどれくらい検索されるのか数値として出してくれたりします。
注意点としては、実際にGoogle広告を出していないと詳細な検索ボリュームを確認できないという点です。
サジェストツールとして有名なもので、私も使っているものとしてはラッコキーワードがあります。
Googleキーワードプランナーやサジェストツールなどを有効活用することで、自分だけでは抽出が難しいキーワードもピックアップできるはずです。
関連キーワードやYahoo!知恵袋などでユーザーニーズを確認する
関連キーワードやYahoo!知恵袋などでユーザーニーズを確認することも、キーワードをピックアップする上で有効です。
例えば、「クイーンサイズ ベッド」で検索すると、下記のような関連した検索キーワードを見つけることができます。
こうして出てきたもので、リスティング広告出稿して成果が見込めそうと思ったらキーワードを登録してみましょう。
また、実際に成果が見込めるかどうかはキーワードを出稿してみないと分からないこともあるので、「いける可能性がある」と判断できたものをどんどん追加して検証していきましょう。
しっかりと運用することが前提にはなりますが、少しでも可能性があるキーワードを登録して成果を見ていくことで、コンバージョン獲得件数を増やしていくことができます。
予算が少ない場合は、より確度が高そうなキーワードだけに絞って配信しましょう。
リスティング広告のマッチタイプとは
キーワードを登録する上で覚えておかなければいけないのが、「マッチタイプ」です。
リスティング広告におけるマッチタイプとは、登録したキーワードに対して、どこまで拡張して広告を表示するかを指定できるものになります。
Google・Yahoo!共通でこのマッチタイプが存在します。
マッチタイプには、以下の3つがあります。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
※以前は絞り込み部分一致というマッチタイプも存在していましたが、現在は廃止された為ここでは割愛します
それぞれを図で示すと、下記のようになります。
それぞれのマッチタイプについて、解説します。
完全一致
完全一致は、登録したキーワードに対して完全に一致した場合にのみ配信するマッチタイプになります。
例えば、「美容整形」の完全一致を登録した場合、ユーザーが「美容整形」と検索した場合に広告が表示されます。
表記揺れ(打ち間違いなど)で「美容成形」などと検索された際も広告の表示対象となります。
フレーズ一致
フレーズ一致は、登録したキーワードを含む語句が検索された際に表示されます。
例えば、「美容整形」というキーワードをフレーズ一致で登録しておけば「美容整形」で検索された際だけでなく、「美容整形+地名」などで検索された際にも広告が表示されるので、完全一致で登録した時よりも多くの検索語句を拾うことができます。
完全一致と部分一致のちょうど中間になるので、バランスが良いマッチタイプと言えるでしょう。
個人的に、1番好きなマッチタイプです。
部分一致
部分一致は、指定したキーワードと関連すると判断された際に、広告が表示されます。
フレーズ一致の場合は、基本的に指定したキーワードを含む場合に広告が表示されますが、部分一致の場合は指定した語句が含まれない場合でも、GoogleやYahoo!のシステムで関連すると判定された場合に広告が表示されます。
メリット・デメリットが1番ハッキリ出るマッチタイプになります。
メリットは、自分が想定してなかった検索語句でコンバージョンが出る可能性があることです。
デメリットとしては、どこまで拡張されるか予測できないので、しっかりと検索語句(検索クエリ)を確認しないと、全く関係がない検索語句に対しても広告が表示されてしまう点です。
美容整形の部分一致だと、芸能人の名前などで広告が表示されてしまうことがあります。
自社のビジネスと関係がないと思われる検索語句については、積極的に除外していきましょう。
リスティング広告の勉強方法
リスティング広告の勉強方法については、まずはGoogleやYahoo!が提供しているポータルサイトを見てみると良いでしょう。
Google広告の勉強の場合は、下記のサイト内で学習することができます。
https://skillshop.exceedlms.com/student/catalog/list
Yahoo!広告の勉強をしたい場合は、下記のサイトを見てみると良いでしょう。
https://www.lycbiz.com/jp/support/yahoo-ads/learning-top/
また、私が運営しているこちらのサイト内でも、リスティング広告を実際に運用している現役Webマーケターの知見をもとに情報発信しているので、ぜひお役立てください。
Webマーケティング全般の勉強方法についてもっと知りたいという方は、こちらの記事をご覧にください。
リスティング広告の改善方法
リスティング広告の改善方法としては、数値を見ながら改善していく作業が必要です。
どこにボトルネックがあるかは、数値を見ることによって把握できるのです。
例えば、CTR(クリック率)が低いのであれば、広告文を変えてみたり、CVR(コンバージョン率)が低いのであれば、LPを変えてみたりなどです。
実際にはここまでシンプルではありませんが、まずはボトルネックとなっている部分を把握したうえで、施策を考えると良いでしょう。
リスティング広告を成功させるためのポイント
リスティング広告を成功させる為のポイントは、最初の「アカウント設計」と「継続的な改善運用」です。
どういう商品を、どういうニーズを持ったユーザーに対してどのように伝えるか、それをしっかりと考えた上でアカウント作成していきましょう。
広告グループにキーワードを入れる際、現在はなるべく纏めることが推奨されていますが、ニーズの違うキーワードを一つの広告グループに纏めてしまうとターゲットに刺さらない広告訴求になってしまいます。
また、最初に最適なアカウントで始められたとしても、継続的な運用改善がなければどんどん成果は悪化していくでしょう。
「アカウント設計」と「継続的な改善運用」をセットで行っていくことで、より成果を上げていくことが可能です。
リスティング広告は自分で運用できるのか
リスティング広告は自分で運用することができるのかどうかというと、結論自分で運用することは可能です。
ですが、先程お話した通り、アカウント設計と継続的な運用改善が必要になってくるので、リソースを確保しておくことが必要になります。
専用の人員を確保できる場合はいいですが、経営者の方や専任の担当者がいない場合は、どうしても成果改善が難しいこともあるでしょう。
そうした際は、費用はかかってしまいますが、外部業者に委託することも考えておきましょう。
リスティング広告を外部に委託する場合の注意点
リスティング広告を外部委託する場合の注意点として、しっかりと選定した上で委託することをおす。
リスティング広告は運用者によって大きく成果が変わってくるため、事前に打ち合わせするなどして信頼に足る運用者かどうかをしっかりと判断しましょう。
まとめ:リスティング広告は運用が大事
ここまで、リスティング広告の基礎から運用の部分まで見てきました。
何度かお話させていただいた通り、リスティング広告で成果を上げていくためには継続的な運用がどうしても必要になります。
ご自分で勉強する場合も、外部委託する場合もしっかりと成果を追っていけるようにしましょう。
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